わたなべばうの日記

WATANABEさんチの育児ブログです。

息子が産まれた日④

 

「ふたりとも出ていって!!!!!」

 

ふたりをLDRから追い出してしまいました。

本当は夫には残っていて欲しかった、一緒に立ち会って欲しかった。

でもお産時のあの時のわたしにはもう気持ちの余裕がなくて、母にだけ出て行ってほしいとうまく伝える事が出来ないと思い、とっさの判断でふたりともを追い出してしまったのだ。

あんな状況なのだから人の気持ちなんて汲まなくて良かったのにと今なら思うけど、母にだけ出て行けというのは母を傷つけるのではないかと気を使ってしまったのだ。

立ち会うつもりで、立ち会うためにこの2日間一緒に頑張ってきてくれた夫は急に追い出されてびっくりしたらしい。

もしかしたらまたわたしに部屋に呼んでもらえるかもしれないと思って待合室で待機せずにしばらくずっとLDRの部屋の前に立ってドアに耳を当ててそわそわしながら応援してくれていたらしいです。

だけどお産が始まりバタバタと出入りが多いLDRなので夫は助産師さんに叱られます。

「邪魔なので待合室にいてください!」

 

時間は17:00を過ぎました。

子宮口は全開です。

一生懸命いきみます。

だけど、なかなか出てこない。

本当に全然出てこない。

こんなところで昨晩ベッドの所為で寝られなかった寝不足が響いてきます。

だめだ、疲れた、気を失いそうなくらいねむたい。

ねむたい→気を失う→陣痛により目を覚ます→いきむ→ねむたい→気を失う…

を、何度も何度も繰り返します。

 

今思うと本当にどういう事なんかと思うけど、子宮口も全開で陣痛の間隔もほぼないというのに、分娩台から下ろされて色んな格好もさせられました。

中腰で分娩台を支えながら空中うんこ座りのポーズとか、立ちながら椅子に体重をかけて四股を踏むポーズとか、

(皆さんちゃんとポーズのイメージ出来てます?)

あられもない姿で何度もいきまされました。

ちょ、待って、こんなポーズでは産めない、はやく分娩台に戻してくれ、頼むゥ、うゔ、、

 

願いは通じ、分娩台へ戻ります。

引き続き意識を失いながらいきみます。

赤ちゃんおりてきてるよ、すぐそこに頭はあるからね、見えてるよ!

いきむのもすごい上手にできてる!

でもちょっとこの子頭が大きくて引っかかっているね、でもがんばろう!

陣痛きたよきたよ、せーのっ、、

などと声をかけてもらうが、もう本当に無理やねん。

もうわたしたぶん死ぬんやわ、わたしが死ぬかこの子が死ぬか、どっちかしかもう道はない。

ふたりとも生きて助かるなんてそんなのは無理、どっちかしか助からないよ。

そんな事を考えていました。

 

↑冷静に考えている風ですが、17時からもうずっとわたしは叫び続けています。

もう無理です、おなか切ってください、お願いします、お願いします、と50回は叫んだと思います。

本当にキャラじゃないから恥ずかしいけど、おなかのまだ見ぬ我が子に向かって、お願いがんばれ〜!!!って大声でエールを送ったりしていました。

 

助産師さんとわたしだけの空間だったからお産に集中出来たのかもしれません。

やっぱり他人がいたら無理だな、あんな状況でもカッコつけてしまいそうだ。

 

先生や看護師さん、他の助産師さんも入れ替わり立ち替わり様子を見に来てくれます。

でも産まれない。

ストロー付きのペットボトルを持って行っていたのですが、看護師さんに、飲みなさい!と飲まされても、いまはそんなの欲しくないんじゃ〜〜と身体が拒否します。

 

時間が19時を過ぎた頃、ずっとお産を手伝ってくれていた助産師さんがナースコールを鳴らします。

入れ替わり立ち替わりしてくれていた先生、看護師さん、助産師さんが全員一斉に部屋に集まります。

そして助産師さんが言いました。

「よく頑張ったね!

もうすぐ19:30になるから赤ちゃん吸引してあげられるからね!

まず会陰切開するね、その麻酔もするね!

先生お願いします!!」

 

き、吸引…?

吸引してもらえるの?

 

そこからは早かったです。

全然痛くないけど、確かに、ジョキという音が聞こえて、ああ、お股切ったんだな、とわかりました。

その後、担当の助産師さんと吸引器を持った先生がわたしの足元に、看護師さんがわたしの側に、もうひとりの身体の大きな助産師さんがわたしに乗っかかるスタンバイをして、次の陣痛をみんなで待ちます。

 

陣痛がきました。

 

みんなが一体となった瞬間です。

先生、看護師さん、助産師さんの4名が声を揃えて叫びます。

 

「がんばれ〜〜〜!!!!!」

 

わたしは一生懸命いきみます。

 

足元では赤ちゃんの吸引が行われ、わたしのおなかの上には大きな助産師さんが乗っかっています。

おなかの上にいる大きな助産師さんがわたしのおなかを押しながら怖い声でわたしに言います。

「目を開けてしっかり足元見ておきなさい!!」

 

その瞬間、にゅるん。

 

産まれました。

2018年体育の日、19:30に息子が産まれたのでした。

 

産まれた瞬間泣くわけじゃないんだな、

ちゃんと生きてる?ちゃんと泣くかな?

へその緒を切った息子が泣き出します。

ああ、、生きてる。

そしてわたしも、

わたしも生きてる。

 

子供が産まれた喜びというよりもふたり共がちゃんと生きているという事に、わたしは安心して涙を流しました。

いま確かに目の前で産まれたはずなのに息子の顔を見せてもらっても、本当にわたしのおなかから出てきたのかな?という気持ちでした。

 

我が子というより、

しばらくは共に戦いを生き延びた“戦友“という感覚でした。

 

身長は49㎝、体重は3545g

 

「お母さんの身長からしてちょっと大きすぎる子だったね〜そりゃ大変だったよね〜!

もう少し小さかったら切らない吸引しないで産まれたと思うよ!

いきむのも上手だったし!」

 

…え?なんですと?

わたしの身長的にすでに赤ちゃん大きすぎてたって?

 

「院長先生に、わたしの身長なら3500g大丈夫って言われたんですけど〜」

 

「いやいや、そんな無責任な!笑

え〜お母さん157㎝でしょ〜?

3500gは大きすぎるわあ!あはは!」

 

まじかよ、いや、責任は太りすぎたわたしにあるけど、、と涙を飲みました。

 

わたしがお産したLDRは待合室から一番奥にあったのですが、先生達の「がんばれ〜!」の声は待合室の夫と母にも聞こえていたそうです。

その後赤ちゃんの泣き声も聞こえてきたのでふたりで顔を見合わせたと言っていました。

 

会陰切開の縫合をしてもらい、

(縫合は我慢出来るけど普通に痛かったです)

赤ちゃんを綺麗にしてもらった後、カンガルーケアをしました。

その頃には夫と母も部屋に入ってきました。

 

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みんなで赤ちゃんと対面です。

母がおもむろにサンドイッチをどこからか出してきました。

お昼に食べたサンドイッチが美味しくて私達の分もテイクアウトしてくれていたそうです。

わたしは流石に食べられないと断りましたが、夫はおなかが空いていたようで、母とそのサンドイッチを食べていました。

 

その後、明日も来るねと言い残し、母は電車で帰って行きました。

明日からは普通の面会扱い(13:00〜20:00)になるので、夫も午前中は普段通りに仕事に行き、昼過ぎにまた病院に来るねと言って帰って行きました。

 

わたしもLDRから入院部屋に移動です。

赤ちゃんを預かってもらい、わたしの身体を拭いてもらい、そして新しい入院着に着替えさせてもらいます。

それから車椅子で部屋まで連れて行ってもらいました。

時間は22時頃だったと思います。

ゆっくり寝てね、ハイになって眠れないようだったら眠剤を出してあげる事も出来るからナースコールしてね、と言われました。

まんまとハイになっており、全然眠れなかったわたしですが、眠剤には頼らずに一晩を過ごしました。

一体明日からどんな生活が待っているのでしょうか。

 

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息子が産まれた日のお話はここまでです。

こんなに長くなるとは思わなかったな。笑

タイトルを変えて入院中の話も少しだけ書いていこうかなと思います。

 

読んでくださってありがとうございました。

 

 

 

 

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